議員になりたい!
でも、実際に議員が何をしてるんだろう?という想像はできますか。
なぜ自分が自治体議員になりたいのか?本当にやりたいことは何なのか?
自分自身に改めて聞いてみるきっかけとしてぜひ最後まで読んでみてください。
そしてもし「よし、やっぱり議員になるぞ!」と思ったそのときは、必ず私があなたのお役に立つことをお約束します。
議員の仕事って何?
- 公務は意外と少ない!?
- 公務っぽい扱いをされているもの
- 多くの人に成功体験をさせる
公務は意外と少ない!?
まず、公務といっても、定義がなかなか明らかではありません。そこで、ここでは出欠が市民へ公になるもの=「公務」としてお話をします。
公務には「本会議や委員会への出席」があります。
本会議=議会は、定期的に開催される「定例会」と必要な時に開催される「臨時会」とがあります。多くの市町村議会の「定例会」は、3月、6月、9月、12月の年4回開催され、3月は予算議会、9月は決算議会とも呼ばれ、会期が1ヵ月以上におよび、6月と12月は5日~3週間程度で終わる自治体が多いです。
一方「臨時会」は必要に応じて開催となり、まったく開催がない年もあれば、頻繁に開催される年もありますが、会期は1日~3日程度のことが多いです。
会期中の土日祝日は、ほとんどの自治体で休会日となります。平日にも休会日があるので、実は市町村の場合、必ず出なければならない日だけを数えると年間40~50日程度になります。以外に少なくて驚きますよね。
議会では何をするの?
では具体的に議会で何をするのか、というと「首長が提案した条例改正など」「市民が提案した請願・陳情」の審査、一般質問・代表質問などです。
条例改正や請願・陳情の審査は、議員全員で行う自治体もありますが、多くは「委員会」内で委員が行い、最終的な採決は議員全員が行うという自治体がほとんどです。
委員会は「常任委員会」と「特別委員会」があります。自治体により「委員会の数」も割り当てられる「人数」も「開催回数」も違いますが、1定例会で1委員会につき、3回~5、6回の開催程度です。
「常任委員会」は、例えば教育、福祉、建設、総務、財政、観光、農水、環境など分野ごとに設置されるものです(複数のテーマを組み合わせて一つの委員会であることも)。会期中「常任委員会」は、条例改正案やそのほかの議案、請願・陳情を審査します。例えば福祉系の委員会では、福祉に関係する制度変更や条例改正などがあった場合に審査し、「教職員の働き方に関する処遇改善を求む陳情」などが市民から出されたときは、教育系の委員会が審査するというようなイメージです。
ちなみに、自分が所属しない委員会を傍聴しない議員もいますが、さまざまな重要な課題が議論され、最終日の本会議で採決にのぞむことになるので、傍聴するのが望ましいです。
「特別委員会」は、特別に必要とされる場合にのみ設置されるものです。例えば3月議会では「予算審査特別委員会」を設置して来年度の予算審査をし、9月議会では「決算審査特別委員会」を設置して決算審査をします。議会は自治体行政の監視役と言われる所以です。
それ以外にも、特にその自治体で課題となっているテーマについて「新庁舎建設委員会」や「災害対策緊急委員会」など、内容を特化して設置し、その委員会が中心となって活動を迅速に進めていきます。会期中に委員会の開催を宣言しておけば、閉会中でも正式な委員会を開くことができますし、委員会での勉強会などは宣言をしなくてもできます。この委員会活動が活発だと、正式な委員会が何度も開催され、公務の日が増える、ということにもなります。
「一般質問」「代表質問」は、行政に対してその姿勢を問う機会です。例えば、観光、防災、道路などのインフラ整備、待機児童対策、学校給食無償化、高齢者の健康事業など、自分が興味のある分野や、市民の関心が大きなことについて聞きます。何を聞くかは基本的には自由ですが、会派などに所属している場合はその縛りがあることも。時間や方法は自治体ごとに異なるため、別の機会にお話しします。
公の場での発言は、議事録に残ります。市民から選ばれた権力を持つ者として、責任のあるものでなければなりません。分厚い資料を読み込み、聞き取りなどで下調べをし、実態調査もしなければなりません。きちんとしたエビデンスが必要です。最近、差別的な発言をして問題になる自治体議員がいますが、人権意識に欠けている発言は政策以前の問題で、議員の資質を問われます。
ちなみに私がいた自治体では、4期16年、一切質問をしない議員もいましたし、役所の職員に質問と答えをすべて書いてもらい、議場では読むだけ、という人もいました。残念ですが「議会の賛否なんて全部賛成でいいや」と適当に考える議員もいて(反対するとなると理由を述べる討論を書くなど、さらに大変な労力がかかるため)、そういう人は会期中でもまったく忙しくありません。逆に、保守だとか野党だとか関係なしに、一つひとつの議案を丁寧に審査して賛否を決めたいと思えば会期中のみならず、その前から準備に追われ、大変な忙しさです。
そのほか
「議会報告会」は市民に議会で議論されたこと、これからされるであろうことなどを報告し、意見交換をする場で、年に2~4回実施しています(していないところもある)。小さな自治体では議員全員が参加することも多いので、議員を身近に感じる機会となります。
ほか、委員会等の視察や、町村市議会研修、議員OB会の視察研修など、多くの議員が参加するけれども強制でもなく、出欠もあまり公にされない、というものがあります。